Chapter-543 小型銀河はギャラクシーハイウェイを駆け抜ける

宇宙には均等に広がるものではありません。天の川銀河のような巨大な銀河が何百万個も集まってできた一辺が数億光年にもなる巨大な壁のような構造物が宇宙空間に多数あることがわかっています。

それらの壁と壁はフィラメントと呼ばれるひも状の銀河の集団で接続していて、それらに囲まれるように銀河がほとんど存在していないボイドと呼ばれる空洞が多数あります。

シャボン玉を作るときに石けん液の中にストローを突っ込んで息をぶくぶくと吹き込むと、カップの中から泡がもこもことわき上がってきますが、あの時の石けんの膜が巨大な壁、シャボンの中には空気が入った空間がありますがこれが宇宙のボイドです。

フィラメントは星の材料となる塵などの物質密度が高い領域なので、銀河はフィラメントで誕生するものと思われます。天の川銀河の周辺で誕生した小さな銀河は重力の作用で大きくて重い天の川銀河に引き寄せられます。つまり、それらの小さな銀河は誕生と同時に加速しながらフィラメントの中を移動することになり、これは銀河の高速道路、ギャラクシーハイウェイとも呼べるものです。

ギャラクシーハイウエイの中では、引っ張られる方向がみな同じなので天の川銀河に向かって小さな銀河が一列に整列してしまいます。天文学者はすでに、天の川銀河周辺の小型の銀河が一枚の板の上に並んだように見えることを発見しており、これは小さな銀河の集団が天の川銀河に向かって次々に接近している小型銀河の列を横から観測しているのです。

天の川銀河の周辺を観測するのは天の川銀河自身の光の影響で難しいのですが、2013年にアンドロメダ銀河について同様の観点から観測した結果が報告され、実際に100万光年四方の広大な面積を持つ厚さわずか4万光年しかないシートの上にアンドロメダ銀河周辺の小型銀河が並んで配置されていることがわかりました。 ギャラクシーハイウェイは暗黒物質が主な材料なのでその姿を直接見ることはまだ出来ませんが、アンドロメダ銀河の周辺の小型銀河を観測するとおぼろげながらどの方向にそのハイウェイが続いているのかが見えてくるのかもしれません。



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2015-04-10 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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