軌道上炭素観測衛星2 OCO-2

軌道上炭素観測衛星2 OCO-2

2009年に打ち上げに失敗したOCO-1とほぼ同じスペックで衛星を作り直して2014年7月2日に打ち上げられたのが地球大気中の二酸化炭素濃度測定衛星OCO-2です。同様の機能を搭載した衛星に日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」がありますが、いぶきの地表解像度が85平方キロメートルであるのに対して、OCO-2の解像度は3平方キロメートルと非常に狭い面積の二酸化炭素を測定することが可能です。地球全体を測定するのに必要な日数は16日です。

これまでの観測では都市や地域ごとの二酸化炭素放出量を測定していたところが、3平方キロメートルの解像度があれば都市のどのあたり、あるいはどの工場・発電所からの二酸化炭素が多いのか、まで衛星データから見つけ出すことが可能となります。これまでの地球温暖化ガス対策では放出源は明確になっていなかったり、大企業による自己申告に依存していたため報告から漏れている二酸化炭素源が大量にあったのですが、OCO-2で観測すれば地球全体を同じ基準で測定した客観的な数値として明確に出来ますのでよりいっそう排出量削減の対策が立てやすくなるものと期待されます。

植物が光合成をして二酸化炭素を吸収し酸素を放出する際にはクロロフィルという色素がエネルギーを取り出した後の太陽光をより波長の長い光のゴミとして放出しますが、OCO-2はこの時の弱い蛍光を検出することも可能です。

軌道上炭素観測衛星2 OCO-2

上の図は光合成の際に放出されるクロロフィル蛍光を衛星イメージングで捉えたものです 。穀物の生産量の多い米国中西部が赤く光るように描かれています。これによって、植物による二酸化炭素の吸収を地域ごとに正確に見積ることが出来ます。「いぶき」にも同様の機能は搭載されていますが、解像度の点でOCO-2はより細かな農場や森林レベルでの二酸化炭素吸収を測定することが可能です。

また日本のJAXAはより解像度を高め、メタンガスも測定できる新型の温室効果ガス観測衛星を2017年に打ち上げることになっていますし、欧州宇宙機関も2021年に欧州初の温暖化ガス観測衛星を打ち上げる計画を進めています。



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2015-04-25 : 人工衛星 : コメント : 0 :
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