手のひらサイズで人間を再現する

研究サイズはどんどん小さくなっています。ここでいう研究サイズとは実験に使用する器具の大きさと思って頂いてかまいません。

古くはガラスや陶器の器を使って、ドボドボと薬品を注いで研究をしていましたが、やがて小型の使い捨て試験管の普及で実験サイズは数グラムとなり、さらに樹脂製の使い捨て実験器具とそれにマッチした分析装置の普及で実験は1グラム以下のスケールで行われるようになりました。そして現在は樹脂やガラスのプレートの上に小さなくぼみを作って薬品タンクとしたり、タンクをつなぐ髪の毛程度の太さの溝を刻んで配管とし、そこに薬品を流すことによっていろいろな実験を行うことができるオンチップラボが一般的となりました。

そして現在、精力的に研究されているのがオンチップ臓器です。
下の写真はオンチップ臓器の例で人工肺です。

手のひらサイズで人間を再現する
Natureダイジェスト 2015年5月号より引用

指の上に乗るほど小さなチップに栄養などを供給する配管とそこからつながる溝を刻み、肺細胞が植えられています。ここに栄養液を流すことによってチップ上で肺の機能を再現することが可能です。このようなオンチップ臓器は脾臓や骨髄、肝臓などもすでに作成されています。

このような装置を使うことによってダイオキシンなどの化学物質が臓器でどのように処理されるかや、臓器にウイルスが感染したときにどのようなことが起きるか、また様々な毒物を与えたときの臓器の反応パターンをデータベース化することにより化学テロが発生した際に迅速に化学物質を特定したりすることが可能になります。

また、今後全身のあらゆる臓器・組織がオンチップ化されれば、チップ同士を配管で接続することによって人間の全身の反応を手のひらサイズで再現することも可能になることが期待されています。



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2015-04-26 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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