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小麦粉が病気を治す不思議・遺伝子が司るプラセボ効果

米国ハーバード大学やシンシナティ大学の研究者らがそれぞれプラセボ効果と遺伝子の関係について研究をしています。

ハーバード大学

プラセボ効果とは医薬品の臨床試験(人間に投与して安全性や効果を確認する試験)で見られる現象のことです。医薬品の開発の最終過程で薬が本当に効くのかどうかを確認するために、小麦粉のような医薬品作用のない偽薬と開発段階の薬の飲み比べを行い、その有効性を判断します 。

この試験は患者さんや場合によっては医師にもどれが偽薬でどれが本物の薬なのかを教えずに行うのですが、そうすると不思議なほど偽薬が効くことがあります。つまり、時として医薬品より小麦粉の方が病気の治療効果が高いことが起こるのです。理由としては「この最新の薬を飲めば治る」という患者の前向きな気持ちが治療効果につながるからだと考えられています。

数億円、数十億円をかけて開発した新薬がプラセボ効果によってボツになるのは製薬メーカーとしては大きなダメージですが、一方でプラセボ効果を研究することは生命のメカニズムを知る上で有効ですし、医療に貢献する研究でもあります。
精神的な影響による免疫機能の向上などと考えられるプラセボ効果ですが、その強さが特定の遺伝子によって支配されているらしいことがわかってきました。

プラセボ効果には脳内で情報の伝達を行い、運動や感情などに関係している物質ドパミンが関わっていると考えられています。ドパミンの合成そのものに関わる遺伝子や、ドパミンを使った情報伝達に関係する分子の遺伝子においてプラセボ効果の出た人、出なかった人で多様性があるようです。個人個人のそのような遺伝情報を把握せずに行う臨床試験は開発中の薬の効果を過大に評価したり、あるいは多くの人にとっては有効な新薬を試験中断に追い込んでしまったりする可能性があります。

ただし、プラセボ効果の高い人を完全に除外することが新薬の研究で有効であるとは一概には言えず、今後は臨床試験の計画においてプラセボ効果が高い人を事前に見分けることが出来るようになる可能性が高いため、どのような試験を行えば最も効果的で正確な臨床試験を行うことができるのか、その点についても研究を進める必要があります。



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2015-04-29 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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