患者の少ない難病をiPS細胞で解明する

難病の患者由来の iPS細胞と、健常人の iPS細胞を同じ条件で育て、分化させて、分化結果の違いを観察し、難病のメカニズムを探ろうとする研究です。

レット症候群は女児のおよそ15000 人に1 人の確率で発症する小児神経発達障害です。性染色体であるX 染色体上の特定の遺伝子が変化して発症します。現在のところ根本的治療法がありません。慶應義塾大学などの共同研究チームは小児神経発達障害であるレット症候群患者からiPS 細胞を樹立しました。

このiPS細胞を神経細胞に成長させ、健常な人のiPS細胞から同じ方法で成長させた神経細胞と比較したところ、レット症候群患者においては神経細胞の中でもアストロサイトと呼ばれる細胞が過剰に作られることが明らかになり、レット症候群患者とそうでない人とではアストロサイトのでき方に違いがあることがわかりました。アストロサイトに注目した治療方法の研究が有効である可能性があります。

患者さんの細胞から容易に(といって良いのかどうかはアレですが・・・)疾患遺伝子を持つ幹細胞を作成するのは、ES細胞では患者さんのクローン胚という超えにくい壁があって難しく、iPS細胞の得意ワザです。臨床研究と並行してこういった研究も進展し、いろいろな難病のメカニズムが解明されると、患者さんの治療のみならず、人間の進化についてもいろいろと知見が得られそうで楽しみです。



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2015-06-07 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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