光に導かれて移動する結晶を発見

産業技術総合研究所が光を当てると結晶が動く現象を発見しました。

2個のベンゼン環が炭素原子で結合した簡単な構造を持つ3,3'-ジメチルアゾベンゼン(DMAB)という物質の結晶をガラス板に載せ、紫外光と可視光を互いに反対方向から斜めに照射すると、紫外光から遠ざかる方向に結晶が移動しました。

光に導かれて移動する結晶を発見

移動速度は光の照射条件によって異なりますが、1分間あたり2マイクロメートル・・・1ミリメートルを9時間程度かけて移動する速度でした。

ガラスや結晶、光に特殊な細工は不要でしたが、結晶を移動させるには2種類の光の強さのバランスは重要でした。また、移動は非常に力強く、垂直に立てたガラス板を上ることもできました。

この化合物が光で移動する理由は光による構造変化にあるようです。この物質はトランス体とシス体という2種類の構造を持つことができますが、室温ではトランス体の結晶で、紫外線を照射するとシス体の液体に変化し、可視光を照射するとこの逆の変化が起きます。

移動メカニズムの詳細は不明ですが、結晶が動く時、後方では液化、前方では結晶化が同時に起きていることが確認されていて、それによって結晶が移動すると考えられます。下の写真は移動する結晶を20分かけて撮影したものですが、移動方向である右側はなんとなく固そうで、後方にあたる左がはなんとなく液体っぽいのがわかるかと思います。

光に導かれて移動する結晶を発見

また、他の物質であっても光で液化と結晶化を起こす化合物であれば移動の現象が起こることが確認されていますので、比較的一般的に見られる現象のようです。



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2015-06-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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