食欲を自在にコントロールできる医薬品

自治医科大学の研究者らがラットを使った実験で、神経細胞のある一つの酵素の活性を高めたり弱めたりすることによって、副作用無く拒食症にも過食症にも対処可能な医薬品を開発できるかもしれない、治療ターゲットを発見しました。これまでの同種の医薬品は神経の活動に影響を与えるため、感情が変化してしまう副作用がありました。

現在の肥満治療薬は神経細胞同士の情報のやりとりの部分をターゲットにして食欲抑制を行っていますが、それとは全く異なる、食欲を制御している酵素を研究者らは発見しました。

食欲を自在にコントロールできる医薬品

その酵素は脳内の弓状核という場所の神経細胞の表面で、細胞内外のイオン濃度の差を調節しているナトリウム―カリウムポンプです。今回の実験で空腹のラットではこの酵素の活性が低下し、神経細胞が血糖値にレスポンスしにくい状態になっていました。

そこで、このポンプの機能を妨害する物質をラットに与えたところ、食欲を促進するたんぱく質が弓状核内で増え、えさを食べる量が増えました。逆に空腹にしたラットの酵素の働きを薬剤で高めると、食べる量が減ることがわかりました。このときにラットの感情には変化(=薬の副作用)がなかったと考えられ、ある一つの酵素の活性を高めたり抑制したりすることによって、拒食症にも過食症にも対処できる画期的な新薬が誕生しそうです。



ヴォイニッチの科学書イベント情報
↑科学情報ポッドキャスト番組「ヴォイニッチの科学書」公式サイトへ↑

関連記事
スポンサーサイト
2015-07-11 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

QRコード

QR