表情の変化に1秒以内で連鎖反応する脳組織

無表情から笑顔へ、笑顔から激おこ顔へ、目の前にいる人のそのような表情の変化を見たとき、脳がどのように反応するのか、その時間経過と脳の部位変化をダイナミックに把握する研究に京都大学の研究者らが取り組んでいます。

脳の活動をリアルタイムに観察する際によく使用されるのは fMRIという装置ですが、この装置は時間的解像度は秒のレベルでしか変化を描き出すことができません。私たちが、知人と会話をしていて相手の表情が一瞬で曇ったとき、それを1秒もかからずにわたしたちは「あ、何か怒らせること言ったかな?」と認識します。相手の表情の変化を感知するときの脳の変化は一瞬なので fMRIを使った研究では、その瞬間を把握することは不可能なのです。

そこで、脳磁図(MEG)=脳の電磁気信号を計測することで、神経活動をミリ秒単位で明らかにできる計測装置をもちいることによって、0.1秒レベルの時間解像度を持つ脳内信号の検出を行いました。

その結果、表情の変化を見たときには、視覚に関する脳の形態や動きの視覚分析に関わる複数の領域が0.15~0.2秒というレベルで一斉に活動を開始することがわかりました。その後、0.3~0.35秒後にはミラーニューロンという他人の運動を自分の運動に結びつける領域の活動が発生しました。そのあとは同じ経路を逆にたどる情報伝達が発生することも確認されました。

これらのことを総合して考えると、相手の表情を見たときに、顔の形態や動きなど多様な視覚情報を分析し、それに対応する自分の運動を起こし、さらに、自分の運動情報を元に視覚処理を調整する、そういった連携プレイを脳はしているようです。

表情の変化に1秒以内で連鎖反応する脳組織
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2015-08-12 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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