Chapter-565 クラゲじゃないよむしろ人間だよ

最近、サルパという生物の人気が密かに高まっています。

サルパは海に住む動物プランクトンの一種です。大きさは数センチ程度のものがほとんどですが、種によっては30センチくらいまで成長する種もあります。30センチもあると見た目は何となくクラゲなのですが、クラゲとは全く関係が無く、背部神経索を持つ脊索動物であるのでむしろ人間に近い生物です。

Chapter-565 クラゲじゃないよむしろ人間だよ
Lars Plougmann from London, United Kingdom

自分で動き回りますし、植物プランクトンを集めて食べたりもしますが、世界中のあちこちの海で仲間同士がつながって例のひものようになって生活しています。このひもの長さは時には10メートルを超えることもあります。

サルパでおもしろいのはその増え方です。あるサルパは、無性生殖でクローンを大量に生み出します。生まれた子どもたちはひも状になって海中を漂って生活しますが、そのうち皆、自立してばらばらになります。単身独立したサルパはまずメスになって卵を1つ抱えます。メスは親世代の雄が受精させますが、母親は胎児を育てている真っ最中に精巣が形成されて雄になります。この雄が子ども世代を受精させることになります。つまり、妊娠中の父親が娘を妊娠させる、ということです。そのうち、父親でもあり母親でもあるサルパから赤ちゃんサルパが飛び出して同世代の赤ちゃんとつながって例のひもを作ります。

サルパの無性生殖による急速な増殖がどうも地球環境の保持にも役立っている可能性があることが指摘されています。サルパは動物ですので植物プランクトンを食べると糞を排出します。サルパの糞は水よりも密度が高いので水に沈みます。

植物プランクトンは光合成によって二酸化炭素を吸収して細胞の成分に変換しますので、これをサルパが食べると言うことは大気中の二酸化炭素を食べているのと同じことになります。その結果放出される糞は重くて水に沈みますので、二酸化炭素を海底に隔離することになります。このようにサルパは大気中の二酸化炭素の量を調節する役目を担っている可能性があります。

サルパ
Hartmut Olstowski



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2015-09-14 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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