お腹の病気を神経治療で

 お腹が痛ければ腹痛の薬、頭が痛ければ頭痛薬。身体の不調が生じた際には「患部」に対して治療を施すことは当たり前のことでした。ですが、医学の進歩に伴って、全身の情報ネットワークが解明されつつあり、その結果、患部とは異なる場所に治療を施すことが効果的である病気も存在することがわかってきました。「元を絶たなきゃダメ」とは昔からよく言われるフレーズですが、最近は元のさらに元が見つかり始めてます。

 大阪市立大学の研究者らは胃腸の不快を訴えるものの、検査を行っても明確なキズ・潰瘍等、不調の原因となる異常が発見できない患者について、脳内のセロトニンと呼ばれる情報伝達物質の振る舞いが原因になっている可能性を指摘しました。医師が「機能性ディスペプシア」と呼ぶこの病気については消化管の生理機能に着目した原因追及の研究が行われていましたが、その原因は突き止められていません。

 研究者らが9名の患者と、比較対象として8名の非患者に対して問診とPET(陽電子放射断層撮影)検査を行ったところ、患者では中脳、視床の領域において神経細胞がセロトニンを受け入れやすい状態に変化していることがわかりました。セロトニンは覚醒状態の維持を行ったり、痛みの情報を伝達したりする役目を持ちます。この結果は、これらの患者に既存の医薬品が効かないことと一致する検査結果です。このことから、胃腸の不調が症状である機能性ディスペプシア患者において、脳が重要な治療部位の一つである可能性があり、消化器病薬以外にも、中枢あるいは神経伝達系に作用する医薬品などを使った新たな治療方法を見いだされる可能性があります。
関連記事
スポンサーサイト
2015-09-22 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

おびおのプロフィール

おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
お気づきの点はメール
twitter:科学の自動会話プログラム ぼっとびお。

スヴァールバルの画像保管庫

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ワトソンの検索窓

ロザリンド・フランクリンのダイアリー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

QRコード

QR