細胞内をダイニンが動いているのが見えた

細胞の内部では細胞核から細胞の外側へ、また外側から中心方向へミトコンドリア、RNA、タンパク質などたくさんの物資が輸送されています。この輸送システムはレールの上を走行する貨物列車にそっくりで生命現象の解明の観点とナノマシンとしての観点の両面から非常に注目を集めています。

中央大学、大阪大学、理化学研究所の研究グループはこの細胞内貨物列車タンパク質「ダイニン」が動いているところを電子顕微鏡で直接観察することに成功しました。

細胞の中心から外側へ向かって下り方向で物資を運ぶ貨物列車タンパク質をキネシン、逆に細胞の核から遠いところから中心方向へ物資を運ぶ・あるいは回送で空荷で戻ってくる貨物列車タンパク質をダイニンと呼びます。下の写真はダイニンがレールである微小管上を移動している様子です。矢印の先に見えるリングのような頭がくっついた分子がダイニンです。中央の幅の広い構造は微小管と呼ばれる、鉄道で言えばレールに相当する構造物で、微小管はあたかも鉄道ネットワークのように細胞内に張り巡らされていて、この上をキネシンとダイニンが行き来しています。

細胞内をダイニンが動いているのが見えた

ダイニンは2つのリングを持つ分子が結合した二量体と呼ばれる構造をしていますが、移動中はリングが重なったり離れたりを繰り返しているため、写真に撮ると上のようにリングが重なって1つだけに見えるダイニンと2つのリングが離れて見えるダイニンが写っていますが、どちらも同じものです。

また1個のダイニンについて連続写真を撮影し、それを重ね合わせたところ・・・

細胞内をダイニンが動いているのが見えた

ヒンジ部分を固定したような状態でリングの頭部分を大きく前後に振り動かしながら移動していることがわかりました。写真の上の方に見えているつぶつぶはレール(微小管)です。

このように大きな頭をブンブンと振り動かしながらレールの上を移動しているしくみが発見されたのは初めてのことです。細胞の中ではこのような分子がひっきりなしにワサワサと頭を振りながら絶えず行き来して細胞の中の物流を担っているようです。
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2015-10-04 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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