Chapter-569 リチウムイオン電池

2015年10月3日 Chapter-569 リチウムイオン電池

 日本の素材産業が強い先端領域と言えば、炭素繊維やiPS細胞が思い出されますが、最近はリチウムイオン電池も電気自動車への搭載が広がりつつあり、新技術が次々に投入されている領域です。 使っては充電、使っては充電を繰り返すことができますので、リチウムイオン二次電池と正確には言います。これに対して一次電池は放電だけができる乾電池のような電池を指します。

リチウムイオン電池の中には電子が移動する電解質という成分があって、その中のリチウムイオンの移動が電気を生み出します。電解液、正極、負極、セパレーターの4つの部品からなり、現在では、正極にリチウム金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材を用いるものが主流となっていますが、負極に空気を使うリチウム空気電池はリチウムイオン電池の数倍の容量を達成することが可能であるため、近年時に注目を集めています。  

バッテリーの進化はかつては携帯電話やノートPCのために求められる高性能な二次電池の開発が原動力でした。たとえば、1989年に登場したマッキントッシュポータブルは鉛蓄電池を作用していましたし、その他の当時のモバイル機器はニッケルカドミウムやニッケル水素などの電池を採用していましたが、重量や稼働時間の点では満足できるものではありませんでした。  

リチウムを使った電池の発想が登場したのは1960年代で、1970年代には実際に動作する金属リチウム二次電池が発表されました。1980年代には東京大学の水島公一らや米国テキサス大学のジョン・グッドイナフらによってそれぞれ実用的なリチウム電池が発表され、まもなく、モバイル機器用途に実用化され金属リチウムを負極活物質に用いた電池がNTTのショルダー型携帯電話に採用されました。ですがこの電池は、金属リチウムは反応性が高いため発火事故が後を絶たなかったということです。

リチウムイオン二次電池の原型はそんなさなか、旭化成の吉野彰、当時ソニーの西美緒(にしよしお)らが炭素材料を負極とし、二酸化コバルトリチウムを正極とした現在の技術の基本となるリチウムイオン二次電池の概念が確立しました。この方式の電池の発売は1991年のことでした。



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