Chapter-571 細胞内の建築現場

2015年10月10日 
Chapter-571 細胞内の建築現場

カイメンという生物がいます。  

背骨の無い無脊椎動物で体を構成している細胞の分化の程度が低く、組織や器官がまだ形成されておらず、神経や筋肉もない原始的な動物です。見た目は壺のような形をしていたり、崩れかけのスポンジたわしのような形をしたりしています。ほとんどの種が浅い海に住んでいて他の物に付着していて動かずにじっとしています。とはいっても、植物ではありません、動物です。

この進化的に最も古い多細胞動物カイメンの骨格は、微細なガラス質の骨片が立てられ繋げられた基本的には柱と梁構造であることは知られていました。ですが、身体の構造がその他の生物とあまりに異なるため、このような体内構造がどうやって形成されるのかは想像することさえできませんでした。

京都大学の研究グループは名古屋工業大学教授との共同研究で、カイメン動物の骨格は、微細な骨片(ガラス質の針)が骨片運搬細胞によってカイメン体内においてダイナミックに運ばれ、運ばれた先で骨片を体の表面の上皮組織に刺すことで骨片の先端が持ち上げられ、基底側端が固定されて柱の様に立てられ、さらに立った骨片の先に新たな骨片が繋げられるというまるで建物の柱と梁を1本1本組み上げてゆくような動物の新規の骨格形成機構を発見しました。

このような、単純作業の繰り返しで部品を組み立てて身体を構築するような方法で動物の身体が形作られるのを発見したのは世界初です。同様の骨格作り機構はカイメン以外の生物でも用いられている可能性があると科学者らは考えています。


Chapter-571 細胞内の建築現場



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2015-11-03 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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