音声チック症状をサルで再現することに成功

トゥレット障害(トゥーレット症候群)は、一般にチックと呼ばれる神経精神疾患のうち、咳払いや声などを発してしまう「音声チック」症状と、まばたきや顔しかめなどの動きを繰り返し行ってしまう「運動チック」症状が、共に1年以上にわたって継続する神経発達障害のことです。子供の頃に発症しますが、多くは18歳までに消失します。18歳未満の発症率は0.1~1%と比較的高いのですが、有効な治療法は現在も確立されていません。

病気の治療薬を開発するには、人間の病気を実験動物で再現し、治療薬候補物質の効果を実験で試すことが有効です。このたび、放射線医学研究所や韓国脳科学研究所などの共同研究チームが世界で初めて音声チック症状を持つ実験動物の開発に成功しました。サルの側坐核と呼ばれる脳部位の活動を興奮状態にすることにより、人間の音声チックが再現されたものです。

また、このサルの脳を解析することによって、音声チックのメカニズムもわかり始めました。
PETを使った脳活動の観察結果によると、このサルは音声の発声に関わることが知られている前部帯状皮質という部位で脳活動が過剰に活動しており、さらに、口や顔面などの発声運動と関係している筋肉を動かしている脳領域の神経活動が同期することによって音声チックの症状が発現するという脳のメカニズムも明らかになりました。

今回、音声チックを再現したサルで明らかになった病気のメカニズムをターゲットにした分子は音声チックの治療薬になる可能性があります。
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2016-01-25 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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