天文学者は海底に超新星爆発を見る

今から200万年ほど前、地球から300光年離れた比較的地球に近い場所で超新星爆発が起きました。地上ではアウストラロピテクスが生活していた時代です。この爆発の時に放出された鉄の放射性同位体「鉄60」は、その後300光年の距離を旅して地球に降り注ぎ、100万年をかけてゆっくりと降り積もりました。

超新星爆発によって生物が直接的被害を受けるのは30光年以内にそれが発生した場合と見積もられていますが、その10倍も離れていても、かつて巨大な恒星の中心核を構成していた元素は地球までやってくるのです。このような放射性同位体は海底の古い堆積物で見つかるので、海底探査をすることによって近傍の宇宙で過去に起きた出来事を予測するそのような学問を「海底天文学」といいます。


鉄60は放射線を出して少しずつコバルト60に変化します。最初に100個の鉄60があったとすると、鉄が50個に減ってコバルトが50個できるのに260万年、25個になるのに520万年、12個になるのに1000万年かかります。鉄は宇宙空間に一般的な元素ですし、1000万年というスパンがちょうど良く、太陽系の歴史は45億年ですのでもともと太陽系にあった鉄60はすでに全て無くなっていることから、昔から天文学の世界ではいろいろなシチュエーションで測定されていました。

下の写真はよく知られているかに星雲です。出現は1054年でもう1000年近くたっています。地球から7000光年も離れているので、光は1000年前に地球に届いたものの放出された元素はまだ地球まで届いていません。もし、届いたとしても広い宇宙に拡散してしまった後のことで鉄60の量も濃度も低下し、検出はできないものと思います。ですが、かに星雲が数百光年の近くにある惑星ならば、この写真のように激しく放出された物質が長い時間をかけて静かに降り積もるはずです。
天文学者は海底に超新星爆発を見る



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tag : 超新星 かに星雲 海底天文学

2016-04-18 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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