エックス線天文衛星「ひとみ」運用断念

2015年8月に運用を追えた「すざく」の後継機として活躍が期待され、2016年2月17日に打ち上げに成功したエックス線天文衛星「ひとみ」はトラブルのため、運用が断念されました。

打ち上げ、太陽電池パネル展開、観測装置のついたトラス(伸展式ベンチ)の展開に成功した後、ファーストライトのため姿勢を変更したところ、通信が途絶しました。

エックス線天文衛星「ひとみ」運用断念

原因は機器の誤動作(パラメータ異常)によって自分の姿勢を自動で感知する動作が“勘違い”を起こし、適切な姿勢を取っていた(と思われる)にもかかわらず、自分自身が回転していると判断し、それを抑制しようと自動制御が働いた結果、逆方向に姿勢制御が作動し、衛星がかえって高速回転をし始めたものと推測されています。

回転速度が衛星の耐久限界とほぼ同等になったため、太陽光発電パネルが根元からちぎれて吹き飛び、伸展ベンチも破損しました。このため、これ以上の復旧努力を続けても復旧する見込みは無くなったため今回の運用断念に至りました。


現在「ひとみ」は11個の破片に分裂し軌道上を周回しています。そのうちの2個はすでに大気圏に突入して燃え尽きたようですが、残りはこのままスペースデブリとして軌道上を漂います。

エックス線天文衛星「ひとみ」運用断念

ちなみに「ひとみ」の開発費は310億円だそうです。もう一回同じものを製造するだけならもっと安くできるはずですが、310億円かかったとしても、かつて銀行の不良債権問題で銀行に注入された公的資金の一行あたりの額の数分の一、企業のプロ野球球団維持費の2年分くらいです。

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tag : ひとみ ASTRO-H

2016-04-30 : ヴォイニッチの科学書 : コメント : 0 :
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