Chapter-601 カラスも進化している

2016年5月14日 
Chapter-601 カラスも進化している

私たちの手は道具を使いやすいように進化しています。ネコは魚を食べるときにお皿の上の魚を手で持って食べることがありますが、しばしば食べている途中で落っことします。一方で人間は手につかんだ食べ物を食べている最中に落とすことはほとんどありません。それは、猫の手よりも人間の手の構造の方がものをつかみやすいように進化し、手を握ると親指と他の指が向かい合う(母指対向性)形をしているためといえます。  

チンパンジーのような霊長類はもちろん、複数の鳥類で道具の使用が確認され、道具を使えるのは人間だけではないことがわかってきました。

たとえば、ニューカレドニアに生息するカラス「カレドニアガラス」は、小枝や葉を鉤爪状に整形し、それをくちばしでくわえて木などに潜む虫をとって食べることがわかっています。ですが、本来くちばしは道具を使うような構造にはなっていません。鳥のくちばしは下向きに曲がっているので、木の枝をくわえても枝が下向きになってしまって、木の幹にあいた虫の巣穴に差し込むことができません。

にもかかわらず、カレドニアガラスは道具が使用できています。   そこで、カレドニアガラスを含むカラス類10 種の標本を使用し、CTスキャンによってデジタル3 次元化した頭部形態を比較する解析を行いました。その結果、カレドニアガラスのくちばしが、一般的なカラスにはみられない、ペンチのように平面と平面で小枝を挟み込むような構造になっていたのです。  

このことは、霊長類とは進化的に離れた鳥類にも、ヒトの道具作成・使用とそれに適した手の形態と同じような関係が進化の共通原理として働いたことを裏付けるものです。


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tag : カレドニアガラス 進化

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