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金星探査機「あかつき」の現状

2010年5月に打ち上げられ、その年の12月に金星の軌道に入る予定だった探査機「あかつき」ですが、軌道制御用エンジンのトラブルで軌道投入ができず、軌道の修正や可能な範囲の観測をしながら今年12月7日の軌道再投入を目指しています。

4回目の軌道修正が2015年7月17、24、31日の3回行われます。現在あかつきは金星と合流するために金星の公転軌道の内側から金星に向かって飛行していますが、このままでは金星の移動と交差するため、姿勢制御エンジンを代用してあかつきをより急な角度で飛行させ、金星に寄り添う軌道に修正します。

金星探査機「あかつき」の現状

あかつきは「STEINS; GATE」に登場するタイムマシンに形がそっくりなので好きな探査機の一つですので。



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2015-07-11 : 人工衛星 : コメント : 0 :

今週の人工衛星「GCOM-C」

JAXAの気象変動観測衛星GCOM-Cの打ち上げがいよいよ来年、2016年に迫りました。

GCOM-Cは気候変動の原因となるさまざまな現象を観測し、温暖化などの気候変動メカニズムの解明を行います。なお、水循環変動観測衛星「しずく」は開発時はGCPM-Wと呼ばれた兄弟衛星です。

衛星は二翼式で太陽電池パネルを展開したときの横幅は16.3メートル。質量は2トンで軌道傾斜角98.6度の極軌道を周回して地球全体を観測します。

搭載されるメイン観測装置は紫外線から赤外線まで複数の波長で光学的に観測を行う多波長光学放射計(SGLI)です。解像度は250メートル~1キロメートル。SGLIを使って大気中のチリや雲の分布の他、陸上植物や海洋プランクトンの密集度合いも観測することができます。これによって、太陽エネルギーの反射や吸収、生物による二酸化炭素の吸収について、地球全体の様子を2~3日ごとに観測できます。

このデータを使って気候変動のコンピューターシミュレーションのためのデータを得ることができますし、黄砂や森林火災、火山噴火の影響を観測することもできます。

今週の人工衛星「GCOM-C」



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2015-07-11 : 人工衛星 : コメント : 0 :

国産衛星バスのニューフェイス ACE-50

近年は、人工衛星の製造費を削減するため「バス」と呼ばれる標準規格を開発し、通信や姿勢制御など、多くの衛星で共通設計にできる部分はバスに搭載することが多くなりました。衛生としての基本機能を持つバスに衛星独自のセンサーなどを搭載することによって目的の衛星を開発するのです。衛星写真を見たときに、あれとこれはデザインが似てるなぁ、と思ったときにはそれらは共通の衛星バスを採用している可能性が高いということです。

このたび、日本の宇宙機器製造メーカーエイ・イー・エス社が衛星バスビジネスに参入しました。AES社が開発した衛星バスACE-50はその型番の通り、太陽電池を折りたたむと一辺50センチの小型となる相乗り衛星です。このバスを採用した自社の衛星「ソクラテス」が2014年の打ち上げ以降1年以上にわたって安定して動作していることから衛星バスビジネスへの参入を決定しました。

ACE-50は搭載機器を変更することにより地球観測衛星、通信衛星など様々な衛星を開発することができます。

国産衛星バスのニューフェイス ACE-50

個人的には、太陽電池パネルがあと3倍くらい横に長いとかっこいいと思います。
あと、本体の太陽電池パネルを省略した、痛衛星用のラッピングを前提としたバージョン MOE-50 も・・・



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2015-07-09 : 人工衛星 : コメント : 0 :

お前・・・消えるのか? すざく

X線天文衛星「すざく」は2005年7月10日に内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット6号機で打ち上げられたX線天文衛星です。

目標寿命の2年を遙かに超える約9年にわたり観測を続けていましたが、2015年6月1日の運用以降、不安定な状態に陥っています。

バッテリー機能が失われ、太陽電池パネルに太陽光が当たっているときだけ装置が動作する状態となっており、通信不良による衛星の動作状況が把握しにくくなっています。電源が失われているため姿勢制御もできず、およそ3分間に1回の周期で無制御にスピンしている状態だと推定されています。

太陽電池パネルは機能していることから、姿勢が制御できればこの状況から脱出が可能であるとJAXAは考え、今後少なくとも1~2ヶ月間をかけて正常観測への復帰を目指し、まずは姿勢の安定と、安定した電源を確保する方法を模索すると発表しています。

音無「お前・・・消えるのか?」
すざく「・・・・」
お前・・・消えるのか? すざく
2015-06-13 : 人工衛星 : コメント : 0 :

エウロパミッションの探査機がカッコよすぎる

エウロパミッションの探査機がカッコよすぎる

NASA米航空宇宙局が木星の衛星エウロパを探査するミッションの探査機開発に着手したと発表しました。2020年代に打ち上げ予定です。

エウロパの表面は厚い氷で覆われており、その下には液体の海があって深海生態系のエネルギー源となりうる深海熱水噴出孔もあるかもしれないと考えられています。そのため、氷の下に広がる海に、生命を育む環境があるかどうかを上空から調べるのが最大の目的です。

ハッブル宇宙望遠鏡による観測で発見されている、表面から水と思われる成分が噴出している現象を観測し、その成分を分析することによって氷の下の環境を予測することに挑みます。

このミッションの探査機のイラストがNASAのサイトで公開されているのですが、まるで八木アンテナのような水平に伸びたアンテナがカッコよすぎます。


2015-06-07 : 人工衛星 : コメント : 0 :

姉妹同時観測を目指して開発を急ぐ「JWST」

ハッブル(HST)宇宙望遠鏡が打ち上げられたのはなんと1990年4月のこと。HSTが打ち上げられたときに生まれた赤ちゃんはもう25歳です。なんか「ドキッ」とする人、多いのではないですか?

HSTはこれまで息をのむほど美しい天体の姿を送り届けてくれました。HSTはもともとスペースシャトルでの有人修理、アップグレードを想定した設計になっていましたので25年間で5回の修理&機能UPミッションが行われています。ですが、2009年5月の部品交換を最後に、HSTに宇宙飛行士を運ぶスペースシャトルも運用を終え、すでにこれ以上の修理は不可能で、もし何かあれば運用終了もやむを得ない段階となっています。

姉妹同時観測を目指して開発を急ぐ「JWST」
NASA, ESA, and M. Livio and the Hubble 20th Anniversary Team

2004年、NASAはついにHSTへの有人ミッションをやめ、HSTの修理を行わない決定を下しました。その後、続々と観測装置が故障し、もはやこれまでかと思われたHST。米国を中心に世界中で延命嘆願運動や費用捻出のための募金活動が行われ、後継機の開発が遅れていることもあってNASAはHSTに最後の修理と大規模な部品交換による延命工事を行うことを決定しました。

ですが、HSTに宇宙飛行士が向かうためのスペースシャトル・アトランティスもこの時点で初飛行から24年も経過し、退役間近の機体でしたし、ミッションの難易度も著しく高くなり、HSTが本当に無事に復活するのか、世界中が固唾をのんでそのミッションを見守りました。

姉妹同時観測を目指して開発を急ぐ「JWST」
HSTのハッチ内に入って最後の修理中(NASA)

2009年5月に行われたハラハラドキドキの5回目にして最後の修理ミッションも完璧に終わり、HSTは打ち上げ以降最高の性能に到達しました。その後、あっという間に月日は流れ、既に6年が経過しています。

ここで開発が急がれているのが次世代大型宇宙望遠鏡ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)です。当初の計画では既に打ち上がっていなければならなかったものの、開発は遅れに遅れています。現在、2018年の打ち上げを目指して急ピッチで開発が進められており、なんとかHSTが生きているうちに娘のJWSTの観測を開始したいと科学者は思っているのです。

姉妹同時観測を目指して開発を急ぐ「JWST」
NASA/MSFC/DAVID HIGGINBOTHAM

人間の眼と同じ可視光・紫外線領域を得意とするHSTに対し、暗くて遠い天体、生まれたての天体や星間物質の観測を得意とする赤外線領域の得意なJWSTは対照的な性格を持つ姉妹です。私たちの見えている宇宙をもっと詳しく、もっと美しく、決して私たちの感性から離れること無く良妻のように寄り添っているHST。一方で、今まで見えなかった世界へ、もっと遠くへ、もっと未知の世界へと振り返りもせずに飛び出してゆく探究心旺盛な妹。二人が同時に同じ天体を観測したとしたら、その時に得られた映像が私たちに与える感動単に科学的な価値によるものだけではないはずです。

満身創痍になりながら、全身に絆創膏を貼りながら30年近くもの長きにわたりがんばってきたHSTに今度こそ本当に「今までありがとう」と言えそうな気がしますね。

姉妹同時観測を目指して開発を急ぐ「JWST」
NASA/MSFC/DAVID HIGGINBOTHAM






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2015-05-13 : 人工衛星 : コメント : 0 :

水星探査機メッセンジャーが任務を終えて水星に墜落しました

メッセンジャーは2004年8月にNASAが打ち上げた太陽系の最も内側の惑星水星を探査する探査機です。
マリナー10号以来、33年ぶりに水星に接近した探査機となりました。水星周回軌道での観測は4年間にわたりましたが、徐々に軌道を下げながら観測を続け、日本時間で2015年5月1日、水星に落下しました。

水星探査機メッセンジャーが任務を終えて水星に墜落

下の写真はメッセンジャーが2008年1月に撮影した水星の表面です。画像の横幅は370キロメートルに相当し、大小様々なクレーターが密集した天体であることがわかります。

水星探査機メッセンジャーが任務を終えて水星に墜落

このような詳細な写真撮影の他、北極周辺の広い範囲に火山性の堆積物を確認し、すでに噴火口は埋もれているものの過去に活発な火山活動があり、堆積物は現在も地表に残っている証拠をつかみました。

また、これまで鉄が多いと思われていた水星の推定組成を否定し、意外なことにカリウムに富む元素組成をしており、水星の組成は原始的な隕石に似ているのではないかという新たな提案を行いました。

さらに2014年には地球の皆既月食をはるか彼方の水星軌道上からの観測にも成功しています。
下の写真は水星周回中のメッセンジャーから見た地球(中央)と月(右)です。この写真は月食直前の写真でメッセンジャーは月が地球の影に消えていく一部始終の写真撮影に成功しました。

水星探査機メッセンジャーが任務を終えて水星に墜落

メッセンジャーの収集したデータの解析は現在も続いていますので、今後も新たな発見が期待されますし、メッセンジャーのデータは2016年度に打ち上げ予定のJAXAとESAによる「ベピ・コロンボ」探査機の活動にも役立てられることになっています。

(画像はいずれもNASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington)



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2015-05-02 : 人工衛星 : コメント : 0 :

スペースデブリ除去衛星「ルンバ」

理化学研究所などの共同研究グル―プは、世界で初めてと思われる数センチクラスの小さなスペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去技術を考案しました。

スペースデブリは、地球衛星軌道を周回する不要物体で、衛星や宇宙ステーションに衝突すると甚大な被害をもたらすので宇宙開発における大きな障害になっています。発生源は事故や故障で制御不能になった人工衛星、ロケット本体や部品、スペースデブリ同士の衝突で生まれた微細なものなどで、宇宙開発の活発化に伴い増え続け、2000年から2014年の間にスペースデブリの量は約2倍に増えています。その総量は約3000トンにも達し、回収が難しくなっています。

今回考案された方法は、スペースデブリ除去衛星「ルンバ」(仮称)から高強度レーザーをスペースデブリに照射し、その結果吹き出すプラズマの反作用を使って減速させ、地球大気に再突入させて除去することが可能であることを示しました。

ターゲット補足用の広角望遠鏡と宇宙レーザーを搭載した人工衛星は現在の技術で制作可能で、実現できれば5年程度で大部分のスペースデブリを除去できると試算されています。
ダスキンとか、アイロボットとか、ダイソンとがスポンサーについて日本の技術で早期実現できるといいですね。



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2015-04-25 : 人工衛星 : コメント : 0 :

ハッブル宇宙望遠鏡25周年

ハッブル宇宙望遠鏡は今年25周年を迎えました。毎年誕生日には記念画像がアップされていますが、今年の画像はりゅうこつ座方向に2万光年離れた3000個もの若い星の集団Westerlund 2です。

ハッブル宇宙望遠鏡25周年
2015-04-25 : 人工衛星 : コメント : 0 :

軌道上炭素観測衛星2 OCO-2

軌道上炭素観測衛星2 OCO-2

2009年に打ち上げに失敗したOCO-1とほぼ同じスペックで衛星を作り直して2014年7月2日に打ち上げられたのが地球大気中の二酸化炭素濃度測定衛星OCO-2です。同様の機能を搭載した衛星に日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」がありますが、いぶきの地表解像度が85平方キロメートルであるのに対して、OCO-2の解像度は3平方キロメートルと非常に狭い面積の二酸化炭素を測定することが可能です。地球全体を測定するのに必要な日数は16日です。

これまでの観測では都市や地域ごとの二酸化炭素放出量を測定していたところが、3平方キロメートルの解像度があれば都市のどのあたり、あるいはどの工場・発電所からの二酸化炭素が多いのか、まで衛星データから見つけ出すことが可能となります。これまでの地球温暖化ガス対策では放出源は明確になっていなかったり、大企業による自己申告に依存していたため報告から漏れている二酸化炭素源が大量にあったのですが、OCO-2で観測すれば地球全体を同じ基準で測定した客観的な数値として明確に出来ますのでよりいっそう排出量削減の対策が立てやすくなるものと期待されます。

植物が光合成をして二酸化炭素を吸収し酸素を放出する際にはクロロフィルという色素がエネルギーを取り出した後の太陽光をより波長の長い光のゴミとして放出しますが、OCO-2はこの時の弱い蛍光を検出することも可能です。

軌道上炭素観測衛星2 OCO-2

上の図は光合成の際に放出されるクロロフィル蛍光を衛星イメージングで捉えたものです 。穀物の生産量の多い米国中西部が赤く光るように描かれています。これによって、植物による二酸化炭素の吸収を地域ごとに正確に見積ることが出来ます。「いぶき」にも同様の機能は搭載されていますが、解像度の点でOCO-2はより細かな農場や森林レベルでの二酸化炭素吸収を測定することが可能です。

また日本のJAXAはより解像度を高め、メタンガスも測定できる新型の温室効果ガス観測衛星を2017年に打ち上げることになっていますし、欧州宇宙機関も2021年に欧州初の温暖化ガス観測衛星を打ち上げる計画を進めています。



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2015-04-25 : 人工衛星 : コメント : 0 :
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おびおのプロフィール

おびお

Author:おびお
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。
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