NASA、太陽探査機を開発

意外なことにこれまで地球から最も近い恒星である太陽へ探査機を直接送り出したことはありませんでした。太陽は強力な熱やエネルギーを放出しているために探査機がそれらに耐えられないからです。太陽自体の表面温度は5500度ですがコロナと呼ばれる一番外側の大気層の温度はさらに加熱されて約200万度にもなっています。ところが、この太陽にNASAが探査機を送り込む計画を進めています。  

このNASAの太陽探査ミッションは「パーカー・ソーラー・プローブ」プロジェクトと名付けられました。たとえば、太陽の最大の謎の一つである太陽の表面よりも外層大気の方が温度が高いという温度逆転現象などの解明に挑みます。


2017-07-05 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

センサーを使わない技術

IoTの進展であらゆるものにセンサーがつけられて情報を取得していますが、住友ゴム工業は自動車の路面の状態を調べるにあたって、センサーを使わずにタイヤの回転のわずかな回転速度のムラや振動、タイヤと路面の摩擦、ABSに伝わるブレーキのききやすさ等から解析するソフトウエアを開発しました。2020年頃までの実用化を目指すということです。  

この方法はセンサーなどの新たな電子部材を搭載する必要がなく、車両の重量増を伴わないメリットがあります。  

ソフトウエアが滑りやすい路面などを感知すると自動車内のモニター画面などに表示するなどして運転手に注意を促すことができます。また、それらのデータをネットにアップロードして滑りやすい道路がある場所を、カーナビゲーションの画面などに表示するような仕組みも作ることができます。また、自動運転自動車におけるブレーキのかけ方の制御などにも使えそうです。


2017-07-05 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

腎臓チップ

群馬大学の研究者らが腎臓を樹脂のチップの上で再現することに成功しました。腎臓は握りこぶしくらいの大きさで、形はソラマメに似ていて腰のあたりに左右一組あります。その主な機能は血液を濾過して老廃物を尿として排出することです。腎臓の機能が損なわれると体内から老廃物を排出することができなくなり、尿毒症になります。

腎臓チップは医薬品の研究をするために開発されました。医薬品が腎臓から血液中に出て行く様子を2.5センチ×3.5センチの樹脂チップ上で再現し、体内にどのくらい長く留まる性質があるかを調べることができます。もちろん、チップ上で尿に出て行かない薬の方が長時間作用が続きます。  

人体の臓器をチップ上に再現して医薬品の研究を効率化する取り組みは広く行われており、すでに胃、小腸、肝臓、血液脳関門などが同様の小さなチップで再現されています。将来的にはそれらのチップを配管で接続することにより、薬を飲んでから分解されて排出されるまでをチップ上で再現できるようになるものと思われます。


2017-07-05 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

カエルは暗いところでも色がわかる

人間は暗いところでは色が判別できません。人間の目には網膜に赤、緑、青色の光を感じとる3種類の細胞があって、それらの細胞の反応を合成することによって様々な色を認識します。これらの細胞は錐体(すいたい)細胞と呼ばれますが、色を識別できる一方で感度が低いので明るい場所でしか機能しません。

人の目にはこれとは別に桿体(かんたい)細胞という光に反応する細胞があります。桿体細胞は1種類しかなく、感度は高いものの色を識別できません。そのため、私達は暗がりでは明暗はわかるものの色を識別できません。

ですが、カエルは暗がりでも色覚を持つと言われていました。人間は一種類しか持っていない高感度の桿体細胞を、カエルは緑色を吸収する桿体細胞と青色を吸収する桿体細胞の2種類持っているからです。ですが、2種類の桿体細胞のうちのひとつには本来は明るい場所でしか役に立たない青色感受性の錐体視物質が含まれていることは矛盾しており、この桿体細胞が暗い場所での視覚を担っているメカニズムはナゾでした。

試行錯誤の過程で研究者らがカエルの青色感受性の錐体視物質のノイズを測定したところ、カエルの青色感受性の錐体視物質は、通常の桿体細胞物質と同様にノイズが著しく低いことがわかりました。つまり、カエルは本来は昼用の錐体視物質の感度を高めるのでは無く、ノイズを下げることによって相対的に感度を高め、暗い場所でも色が見えるようになっているようです。カエルの多くは夜行性ですので、このような暗がりでの色覚の獲得は生存にとって有利になったはずです。


2017-07-05 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

NTT系研究所、人と議論できるAI開発

NTTコミュニケーション科学基礎研究所は人間に対し、賛成や反対などの意見を表明して議論できるAIシステムを開発しました。ロボットからの意見の表明はロボットと会話で信頼関係を築くために必要なプロセスだと考えられ、ロボットを人間の相談相手として活用できる可能性が出てきます。  

これまで、ロボットの性能を高めることによってより人間との親和性、人間が求めるロボットのあるべき姿を追い求める研究が中心でしたが、もともと不完全である人間のような曖昧で適当なロボットを作ることによって、人間とロボットのよりよい共存を目指そうとするものです。

2017-07-05 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

相当明るい超新星 SN 2017eaw

米国の個人天文家がケフェウス座にあるNGC6946銀河に超新星を発見しました。超新星は星が一生の最後の段階で大爆発を起こして明るく輝いたものです。
下の写真はその周辺広域の写真で、赤い2本の棒線を延長した交点にあるのが超新星です。SN 2017eaw と名付けられました。

これでも割と近い超新星 SN 2017eaw
Image Credit & Copyright: Paolo Demaria

下の写真は超新星付近を拡大したものです。周りの明るい点は天の川銀河の中の星(あるいは遙か彼方の銀河も含むかも)ですが、SN 2017eaw は天の川銀河の星と同じくらい明るく輝いています。ですが、1800万光年離れた別の銀河で輝いている星です。

これでも割と近い超新星 SN 2017eaw

これくらい明るい超新星が発見されたのは2014年1月以来とのことです。
遠く離れた天の川銀河から観測する分には、とても明るく観測しやすくて良いのですが、地球の近くでこんな星が突然現れると一体どうなってしまうのでしょうね。この超新星爆発で滅びた文明もひょっとするとあるのかもしれません。

天の川銀河ではベテルギウスが超新星爆発を起こしそうで、もし爆発すれば地球では昼間でも明るく輝くのが見えると予想されています。他の銀河の生命体からもきっとこのように観測され、

「天の川銀河で超新星発見!

  この銀河で超新星が発見されたのは400年以上ぶりの珍しい出来事!!」


と記事になるのかもしれないですね。ちなみに、天の川銀河で超新星爆発が最後に起きたのは1604年のことで、一方で NGC6946 ではこの100年間に10個も超新星が発見されています。


2017-06-17 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

化学に恋するアピシウス、第14回公開されてます

一ヶ月くらい過ぎてからの告知になりましたが、美味しい料理の科学と化学とちょっと文学「化学に恋するアピシウス」の第14回が公開されてます。サイトはこちらビジネスジャーナル

今回の記事は「アスパラガス」です。アスパラガスの効能については上のリンクから記事を読んで頂くとして、今回は銀座ライオン秋葉原ラジオ会館店でアスパラガスのトマトソースオーブン焼きを頂きました(季節メニューで今は多分ないと思います)。一人メシでさらにビールを飲むので、そうあれやこれや料理の注文はできないのですが、串カツが1本からOKでしたので、それもあわせて頂いています。

化学に恋するアピシウス、第14回公開されてます

文学パートは恩師の飴山實先生の全句集から紹介させて頂きました。
次回は「鹿」の予定です。6月中旬更新予定です。


2017-06-04 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

北米大陸にはいつから人類がいたのか?

北米の人類期限について、現在はアフリカ単一起源説、つまり人類の祖先はアフリカで誕生し、そこから移動して世界中に広がった、という説に基づきアフリカで誕生した現生人類(ホモ・サピエンス)が1万5000年前に北米大陸に進出した、という考え方が一般的です。


北米大陸にはいつから人類がいたのか?

ところが、サンディエゴ自然史博物館が13万年前の地層から出土したマストドンの化石を調査する過程で、人為的につけられた可能性のある鋭利な傷を発見し、ひょっとするとその時代に現生人類とは異なる石器などを使用してマストドンを狩ることができた人類がいたのではないか、と発表し話題になっています。

サンディエゴ自然史博物館

人類の化石を調べるだけでは人類の進化は解決できそうになく、地層の中から人類がそこにいた痕跡をDNA断片を探し出すことによって解析する環境DNAなどの最新手法を適用した報告が楽しみです。


2017-05-28 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

古典「明月記」で知る太陽磁気嵐の地球直撃

古典「明月記」で知る太陽磁気嵐の地球直撃

太陽活動は刻々と変動し地球に影響を与えます。現代においては太陽活動が激しくなり、磁気嵐が発生することで、大規模な停電が発生したり、人工衛星の電子機器が故障したりします。また、大きな磁気嵐の時には、日本でもオーロラが観測されることが知られています。

最近では2003年10月下旬に太陽活動が激しくなり、多くの人工衛星が故障する「宇宙災害」に見舞われ、スウェーデンの南部では停電が発生し約5万人が影響を受けました。日本では二日間にわたり北海道でオーロラが観測されています。

過去の時代におけるこのような天文現象の発生を探るために京都大学の研究者らは鎌倉時代初期の歌人・藤原定家の日記『明月記』に記録された、「赤気(オーロラ)」の記述に注目しました。『明月記』には、1204年2月21、23日の京都の夜空に「赤気」が現れて恐ろしい様子だという記述が残されています。これは、現在調査されている日本の文献の中では、最古の「長引く赤いオーロラ」の記録です。

明月記
1204年2月21日、晴れ。日が暮れてから北及び東北の方向に赤気が出た。その赤気の根元の方は月が出たような形で、色は白く明るかった。その筋は遠くに続き、遠くの火事の光のようだった。白いところが4、5箇所あり、赤い筋が3、4筋出た。それは雲ではなく、雲間の星座でもないようだ。光が少しも翳ることのないままに、このような白光と赤光とが入り交じっているのは、不思議な上にも不思議なことだ。恐るべきことである。
1204年2月23日、晴れ。風が強い。日が暮れてから、北・東北の方向に再び赤気が現れた。それは山の向こうに起きた火事のようだった。重ね重ねとても恐ろしい。

さらに研究グループは古典書籍を研究し、中国の歴史書『宋史』に明月記と同じ日に太陽活動が記録されていることを発見しました。

宋史
1204年2月21日、太陽の中に黒点がありナツメのように大きい。


地磁気の北極はつねに揺れ動いていますが、「明月記」が書かれた頃の地磁気の北極を調べたところ、極が日本の方へ近づいている時代に相当し、過去2000年間で日本からオーロラが最も観測しやすい時期であったことが明らかになりました。今回、2つの古典の記録から約800年前の大規模な太陽活動が実在したものであり、太陽の異常を反映して日本の空にオーロラが出ていたことが確かめられたことになります。

さらに「宋史」で900年代~1200年代の記録を調べると、長引く赤いオーロラが見られた記述が十数例見つかりました。また、樹木年輪の炭素同位体比から、当時の太陽活動の歴史を復元しました。その両者を比較した結果、11年周期の太陽活動の極大期付近に、長引く赤いオーロラが多く記述されていることが明らかになりました。

古典、特に日記や歴史書の中に記録された天文現象、地質学的出来事を年輪の変化などの科学的に検証できる事実と結びつけて解釈することによって、単に科学的な「太陽の活動でオーロラが現れた」という事実を知るだけで無く、自然に対する捉え方が現代の私達とは大きく異なるはずの当時の人たちがどう感じたのかを知ることはとても興味深く、とても重要なことで、科学の面白さの一つでもあると思います。


2017-05-28 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目、2回目

1997年に打ち上げられた NASA・ESAの土星探査機「カッシーニ」が探査機としての寿命も近いため、最後の大胆なミッションに取り組んでいます。
このミッションは「グランドフィナーレ」と名付けられ、土星本体と輪の間を22回周回することによって詳細な土星本体とその周辺環境、および輪の構造について観測を行おうとするものです。最後の周回を終えた後、探査機は土星大気に突入して消滅します。予定日は2017年9月15日です。

土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目、2回目

1回目のミッションが2017年4月26日、2回目が5月3日に行われました。
このような空間を通ることによる微粒子の衝突については、理論的計算から土星本体と輪の間にはほとんど微粒子は存在しないと考えられていましたが、初回通過の観測により、この空間は非常にきれいな、計算値よりもさらに何も無い空間で、1マイクロメートル(1ミリの1000分の1)以上のチリは観測されませんでした。
地球の周辺が人工衛星やロケットの破片でゴミ屋敷状態になってしまったのとは対照的です。この観測結果を見ると私達は地球を取り巻く環境に対して取り返しのつかない環境破壊をしてしまったのだな、と感じます。


土星探査機「カッシーニ」グランドフィナーレ 1回目

土星に対する相対速度が時速12万キロを超える猛スピードで土星の本体と輪のわずか2000キロメートルのすき間を飛行するミッションは初回、2回目共に成功し、これまでで最も詳細な土星の大気の様子の撮影に成功しました。今後、科学者によってそれらのデータが解析され、土星の新たな事実が多数発見されるものと思われます。






2017-05-05 : 科学の小ネタ : コメント : 1 :
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おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
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