スペースX社の新たな挑戦

米国スペースX社が2018年末に宇宙飛行士2人を宇宙船「クルー・ドラゴン(ドラゴン2)」に搭乗させ、月周回往復旅行を実施すると発表しました。ドラゴンは国際宇宙ステーションに物資を届けている無人宇宙貨物船です。これを人が登場できるようにしたものが「クルー・ドラゴン」です。

スペースX社の新たな挑戦

打ち上げには独自開発で2017年夏に初打上げを目指す「ファルコン・ヘビー」が使用されます。次いで、2017年末に「クルー・ドラゴン」の一号機を無人で打上げ、国際宇宙ステーションへの物資輸送を行います。実現すれば45年ぶりに人々は再び月へと向かうことになります。 これはすでに2016年9月に発表された、2060年代に火星に100万人を移住させるという壮大な計画の一部となります。

スペースX社の新たな挑戦


2017-04-13 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

わずか540年前に分離した連星系を発見

NASAと米ペンシルベニア州立大などの研究チームがそれぞれ地球からオリオン座の方向に約1300光年離れた他所で時速約21万キロ、時速10万キロ、時速3.5万キロの高速で移動している星を発見しました。移動方向を逆算すると3つの星は540年前には同じ場所にあったことがわかり、少なくとも3個の恒星からなる連星系だったことがわかりました。 何らかの理由で連星系のバランスが崩れ、別々の方向に飛び出した可能性が考えられます。

わずか540年前に分離した連星系を発見


2017-04-12 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

白内障を目薬で治療する

白内障は眼球の前方にあってレンズの形をした水晶体のタンパク質「クリスタリン」が異常を起こしてかたまりを形成し、光が通り抜けにくくなる病気です。

中国四川大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校などの国際研究チームは遺伝性白内障の原因が、水晶体に多く含まれるラノステロールというタンパク質を作る酵素「ラノステロールシンターゼ」の遺伝子変異であることを突き止めました。

水晶体は透明な細胞の集まりですが、本来細胞は細胞内小器官というミトコンドリアや核などいろいろな構造物が入っていますので透明ではありません。水晶体の細胞はそれらの細胞小器官が分解して消えてなくなることによって透明で高性能なレンズとして機能しています。クリスタリンは水晶体のタンパク質の90%を占めますが水晶体の細胞は細胞内小器官を失っているため新陳代謝がなく、クリスタリンは新たに作り出されません。従って、クリスタリンをフレッシュな状態に維持することが水晶体混濁、つまり白内障予防のために重要です。

混濁した水晶体を除去する外科的手術は効果的で安全ですので広く行われていますが、世界的な老齢化社会の到来から点眼薬による簡便な治療は非常に有効です。すでにラノステロールを含む点眼薬で、イヌで自然発症した白内障の治療に成功しており、人においても有効である可能性が高くなっています。


2017-04-11 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

秒速1ペタビット

NTT、デンマーク工科大学、フジクラなどの共同研究チームが世界最大容量の光ファイバーで長距離伝送実験に成功しました。今回の実験では1秒間に1ペタビットのデータを約200キロメートル送信することができました。この速度は映画「君の名は。」のハイビジョンデータを1秒間に6000本送る速度に相当します。つまり、瀧君と三葉さんが1秒間で7万回近く入れ替わることになります。  

実験結果から推定すると、今回の1.5倍の毎秒1.5ペタビットで1000キロメートル以上正しく伝送できると推定されています。ちなみに、現在広く使われている光ファイバーケーブルの伝送速度は秒速8TBだそうです。


2017-04-09 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

災害時にたき火で発電する技術

産業技術総合研究所が焼却炉やエンジンなどの排熱から発電できる空冷式のポータブル熱電発電装置を開発しました。この発電装置は200度~800度の温度範囲で発電でき、集特別な設置工事などが不要のため、たき火の上にかざすだけで発電ができ、災害時の緊急電源としても利用できそうです。  

熱電発電ではゼーベック効果という棒状の導体の両端に温度差をつけると温度差に比例した電位差(電圧)が生じる減少を利用しています。
災害時にたき火で発電する技術

そのため、効率よく発電するためには水冷装置などの冷却装置を使って温度差を大きくする必要があり、ポータブルとして持ち歩くことはできませんでした。今回新たなカルシウム・コバルト酸化物素子熱電モジュールを開発し、空冷でも水冷の場合、同等の出力で発電できる熱電発電装置を開発した点が画期的です。空冷ファン自身もこの装置が発電する電力で駆動しますので外部の電源や、電池などはまったく不要となりました。  

実際の装置では加熱温度が200度に達すればLEDライトが使用でき、400度になればスマートフォンの充電を行うことができ、500度ではワンセグテレビを映すこともできました。


2017-04-09 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

最強のマラリア出現か!?

古典イタリア語で「悪い空気」という名前を持つマラリアは単細胞生物であるマラリア原虫の寄生によって起る病気です。ハマダラカに刺されることによって人から人へ伝播します。40度前後の高熱を出し、悪性の場合は死に至ります。マラリアは予防可能、治療可能な病気であるとされていますが、全世界ではマラリアに年間2億人が感染し、年間60万人程度が死亡しています。死亡の8割以上はアフリカの幼い子ども達です。マラリア原虫に対し、最も広く普及し効果的な薬剤としてアルテミシニンが使われていますが、これまで東南アジアでアルテミシニンの効かない原虫が発見されています。

長崎大学や江蘇省寄生虫病防治研究所などの国際共同研究チームはアフリカにおいてもアルテミシニンの効かないマラリア原虫が出現したことを確認しました。赤道ギニアで発症した中国人移住労働者のにはアルテミシニンの効果が無く、このマラリア原虫の遺伝子を調べたところ、遺伝子に独特の突然変異がある事がわかりました。この変異型マラリア原虫はアフリカで誕生し、現時点ではまだ世界に拡散していないものと思われます。

アフリカではマラリアコントロールと撲滅のためにアルテミシニンに依存しており、この新たなマラリア原虫に効果のある医薬品はまだ見つかっていないため、公衆衛生上の大きな機器になる可能性があります。


2017-04-09 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

足を普通よりたくさん生やす遺伝子

普通よりも足の数が多くなる多肢症という疾患があります。牛の場合発症する確率は10万分の4以下です。この疾患はニワトリ、カエル、人間でも確認されています。不思議なことに命には別状がありません。原因は二通りがあり、ひとつは寄生虫によるもので、もうひとつは血液の凝固に関連があると見られるNHL-RC2という遺伝子の変異です。この遺伝子が正常に機能しないと身体の一部分になる細胞が不必要に複製され、余分な足が生えてしまいます。

足を普通よりたくさん生やす遺伝子


2017-04-09 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

宇宙のことを私たちはまだほとんど知らないのかも

2014年にNASAのX線観測衛星チャンドラ(下図)が観測した天文現象はこれまで知られていない謎の超激しい天文現象だった可能性があります。

NASAのX線観測衛星チャンドラ

この天文現象は地球から107億光年も離れた銀河で起きたものです。
地球時間で2014年10月1日、この銀河から突然莫大な量のエネルギーの放出が始まり、わずか数分間でその銀河に含まれるすべての星の数千倍ものエネルギーが放出され、翌日にはエネルギー放出は終わっていました。

このエネルギー放出源は CDF-S XT1 と名付けられています。下の写真の下段は当時の観測データです。左から右へ時間が経過していますが、一番左のほぼ何も見えない状況から突然強烈なX線が観測され、右側の写真に向かって徐々に消えていったことがわかります。

宇宙のことを私たちはまだほとんど知らないのかも

膨大なエネルギーが一瞬で放出される天文現象としては
・中性子やブラックホールなどが衝突
・ブラックホールが近隣の天体を破壊
などが知られていますが、そのようなすでに知られている天文現象ではないことが観測データからわかっています。この銀河に何が起きたのかは謎ですが、もし、何の前兆もなくこのような激しい天文現象が起きる可能性があるのであれば、天の川銀河でもし同様の現象が発生すれば、私達は強烈なX線に一瞬で晒され、自分たちが滅亡したことも知らずにこの宇宙から消え去ることがあるのかもしれませんね。


2017-04-08 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

医薬品の薬物動態研究が著しく進展するかもしれない技術

血液脳関門と小腸をiPS細胞で作製することに成功しました。

脳は非常に繊細で重要なので、有害物が入り込まないように強固なバリアで守られています。これを血液脳関門(BBB:ブラッド・ブレイン・バリア)といいます。BBBは血液と脳を隔てるバリアですが、酸素や栄養分などは通過させ、それ以外の脳に必要ない物質を通過させない特殊な構造をしています。ここでやっかいな事は医薬品でさえ必要ない物質と判断されてしまう点です。

アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症などの病気は脳の神経が損傷する事によって起きると考えられています。それらの治療薬の研究・開発は盛んですが、研究が失敗する理由の一つがBBBを薬が通り抜けられない事にあります。  

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所はBBBを試験管内で再現するために必要な血管周皮細胞という細胞をiPS細胞から作ることに成功しました。この細胞と血管細胞を組み合わせることによって試験管内でBBBを作りだし、BBBを通過して脳に届く医薬品を探す研究方法を今後開発する予定です。  一方で、立命館大学の研究者らはヒトの腸管の構造を再現する技術を開発しました。小腸は飲み薬が身体の中に入っていく部位ですので、それを試験管内で再現する事が出来れば、吸収されやすくてよく効く薬の研究・開発に役立てる事が出来ます。  

開発したのは空気の通り道がたくさん内部にあるシリコン樹脂のシートです。これに空気を吹き込むと風船のように膨らんで平らなシートが筒状になります。表面に小腸の細胞を付着させておけば、実験で使える筒状の小腸になります。この人工的な小腸は非常に丈夫で細胞が剥がれ落ちる事もありませんでした。また、小腸内側の特徴である粘膜層もこれまでの培養細胞よりも実際の人体の状態に近かったため、非常に正確な実験を行う事が出来そうです。


2017-03-29 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

原子ドライブ

フロッピーディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブと来て次は原子ドライブかもしれません。IBMが磁気記録媒体として世界最小の原子データ記録装置へのデータ記録実験に成功しました。1つのホルミウム原子に電流を与え、N極S極の磁性の向き変えて情報を記録する仕組みです。ハードディスクは1ビットを記録するために10万個の原子を使用しますが、原子ドライブでは1ビットを1個の原子で記録しますので記録密度は著しく向上します。  

ただし、空気の分子の影響を受けるために真空状態にしなければならないこと、記録状態を保持するために液体ヘリウムを用いた冷却が必要なことなど、パソコンに内蔵するにはいくつかの問題点があります。


2017-03-27 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
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