足を普通よりたくさん生やす遺伝子

普通よりも足の数が多くなる多肢症という疾患があります。牛の場合発症する確率は10万分の4以下です。この疾患はニワトリ、カエル、人間でも確認されています。不思議なことに命には別状がありません。原因は二通りがあり、ひとつは寄生虫によるもので、もうひとつは血液の凝固に関連があると見られるNHL-RC2という遺伝子の変異です。この遺伝子が正常に機能しないと身体の一部分になる細胞が不必要に複製され、余分な足が生えてしまいます。

足を普通よりたくさん生やす遺伝子


2017-04-09 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

宇宙のことを私たちはまだほとんど知らないのかも

2014年にNASAのX線観測衛星チャンドラ(下図)が観測した天文現象はこれまで知られていない謎の超激しい天文現象だった可能性があります。

NASAのX線観測衛星チャンドラ

この天文現象は地球から107億光年も離れた銀河で起きたものです。
地球時間で2014年10月1日、この銀河から突然莫大な量のエネルギーの放出が始まり、わずか数分間でその銀河に含まれるすべての星の数千倍ものエネルギーが放出され、翌日にはエネルギー放出は終わっていました。

このエネルギー放出源は CDF-S XT1 と名付けられています。下の写真の下段は当時の観測データです。左から右へ時間が経過していますが、一番左のほぼ何も見えない状況から突然強烈なX線が観測され、右側の写真に向かって徐々に消えていったことがわかります。

宇宙のことを私たちはまだほとんど知らないのかも

膨大なエネルギーが一瞬で放出される天文現象としては
・中性子やブラックホールなどが衝突
・ブラックホールが近隣の天体を破壊
などが知られていますが、そのようなすでに知られている天文現象ではないことが観測データからわかっています。この銀河に何が起きたのかは謎ですが、もし、何の前兆もなくこのような激しい天文現象が起きる可能性があるのであれば、天の川銀河でもし同様の現象が発生すれば、私達は強烈なX線に一瞬で晒され、自分たちが滅亡したことも知らずにこの宇宙から消え去ることがあるのかもしれませんね。


2017-04-08 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

医薬品の薬物動態研究が著しく進展するかもしれない技術

血液脳関門と小腸をiPS細胞で作製することに成功しました。

脳は非常に繊細で重要なので、有害物が入り込まないように強固なバリアで守られています。これを血液脳関門(BBB:ブラッド・ブレイン・バリア)といいます。BBBは血液と脳を隔てるバリアですが、酸素や栄養分などは通過させ、それ以外の脳に必要ない物質を通過させない特殊な構造をしています。ここでやっかいな事は医薬品でさえ必要ない物質と判断されてしまう点です。

アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症などの病気は脳の神経が損傷する事によって起きると考えられています。それらの治療薬の研究・開発は盛んですが、研究が失敗する理由の一つがBBBを薬が通り抜けられない事にあります。  

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所はBBBを試験管内で再現するために必要な血管周皮細胞という細胞をiPS細胞から作ることに成功しました。この細胞と血管細胞を組み合わせることによって試験管内でBBBを作りだし、BBBを通過して脳に届く医薬品を探す研究方法を今後開発する予定です。  一方で、立命館大学の研究者らはヒトの腸管の構造を再現する技術を開発しました。小腸は飲み薬が身体の中に入っていく部位ですので、それを試験管内で再現する事が出来れば、吸収されやすくてよく効く薬の研究・開発に役立てる事が出来ます。  

開発したのは空気の通り道がたくさん内部にあるシリコン樹脂のシートです。これに空気を吹き込むと風船のように膨らんで平らなシートが筒状になります。表面に小腸の細胞を付着させておけば、実験で使える筒状の小腸になります。この人工的な小腸は非常に丈夫で細胞が剥がれ落ちる事もありませんでした。また、小腸内側の特徴である粘膜層もこれまでの培養細胞よりも実際の人体の状態に近かったため、非常に正確な実験を行う事が出来そうです。


2017-03-29 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

原子ドライブ

フロッピーディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブと来て次は原子ドライブかもしれません。IBMが磁気記録媒体として世界最小の原子データ記録装置へのデータ記録実験に成功しました。1つのホルミウム原子に電流を与え、N極S極の磁性の向き変えて情報を記録する仕組みです。ハードディスクは1ビットを記録するために10万個の原子を使用しますが、原子ドライブでは1ビットを1個の原子で記録しますので記録密度は著しく向上します。  

ただし、空気の分子の影響を受けるために真空状態にしなければならないこと、記録状態を保持するために液体ヘリウムを用いた冷却が必要なことなど、パソコンに内蔵するにはいくつかの問題点があります。


2017-03-27 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

今日は統計学者 エルンスト・エンゲルさんのお誕生日でした

今日はドイツの統計学者エルンスト・エンゲルさん(1821/3/26-1896/12/8)の誕生日でした。生きておられたら 196歳です。家計に占める食費の割合が高い人ほど貧しい・・・というエンゲルの法則、エンゲル係数=食費÷消費支出 を考え出した人です。

総務省統計局の家計調査によると、日本では25パーセント前後。物価や価値観の違いがあるので国同士を比べるのは適切な比較は出来ないのですが、米国で15パーセント、ドイツが18パーセントくらいだそうです。


2017-03-26 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

放送電波で天気予報

情報通信研究機構電磁波研究所の研究グループは、地上デジタル放送の電波の遅れを高精度で検出して、空気中の水蒸気量を測定する技術を開発しました。ゲリラ豪雨など急変する天気の予報精度を高めることができる技術です。  

電波は、大気中の水蒸気量で伝わる速度が変化します。大気中の水蒸気量が1%増えると、5kmを伝わる電波の所要時間が17ピコ秒遅れます。この電波の伝わる速度を計測する事によって水蒸気量を計算する事ができます。 電波の速度の計測には「遅延プロファイル」と呼ぶデータを使用しました。発信元から直接到達する電波と、建物などに反射しながらくる電波では波がわずかにずれます。この波のずれを計測する事によって、電波を送信した時間と受信した時間を計測する必要なく電波の速度を計算する事ができます。  

すでに使用されているGPS衛星のデータの乱れを使った空気中の水蒸気の測定にこの新たな手法を追加する事でより正確な局地的豪雨などの予報ができそうです。


2017-03-23 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

人の受精卵のゲノムを編集

中国・北京放射医学研究所などの研究チームが生物の遺伝子を自由に改変できるクリスパー・キャス9というゲノム編集技術を不妊治療で不要となったヒトの受精卵に対して使い、病気の原因となる遺伝子の修復(=遺伝子の書き換え)に成功したと発表しました。

人の受精卵のゲノムを編集することは、影響が子孫へ受け継がれるため倫理的に多くの問題があります。今回の研究は正常な受精卵の改変としては世界初とみられます。

2017-03-22 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

うつ病を回復させなくても自殺は防げる

厚生労働省「自殺者の推移」データによると(こちらをクリック)、日本の自殺者数は1998年に突然、年間1万人近く増加し、その後2011年まで毎年3万人以上、1日に100人近くが自殺している異常な事態が続いていました。近年は漸減傾向にあると言っても2万人を超える人が自ら命を絶っています。

自殺の直接的原因は過労、失恋、失業、お金がない、様々ですが、多くの場合においてその背後にある神経メカニズムとしてはモノアミンの枯渇などによる意欲低下、そこから発症するうつ病だと思われます。

スウェーデン・ルンド大学の研究者らがうつ病になって自殺企図をしながらも生き抜く力を回復した人たちに対して追跡調査を行いました。入院が必要なほど重度なうつ病を発症しながらも自殺を回避できた患者13例を対象にした調査で、患者本人からいろいろな回想(告白)を得ることが出来ました。それによると・・・・
・自殺を考えたときには自分では死ぬ以外に回避するすべがないと感じる状況に追い込まれた
・他社による心のケアが自殺回避に有効だった
・「この人のために生きよう」といった自分自身の強い意志による決断が重要だった
つまり、コントロール不能になった精神状態を外部の支援を得ながら、自分を取り戻す力を自ら回復した人が自殺を回避できたと言うことです。また、この調査でわかった注目すべきは、自殺の回避とうつ病の治癒は実は関係がない、自殺回避のためにはうつ病完治は必要がなかった、ということです。

研究者らはうつ病治療とは別の問題として、長い時間をかけて家族や医師などのプロが自殺回避を目的としたケアを根気よく続けることによって自殺を防げる可能性を指摘しています。

2017-03-20 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

細菌同士のコミュニケーション

細菌同士がコミュニケーション(情報交換)している事は専門家の間ではすでによく知られています。通信媒体としては人間の脳と同様に化学物質をシグナル物質(コミュニケーション物質)として利用しています。ですが、そのようなコミュニケーション物質が実際に自然環境中でどのように伝達しているのかよくわかっていませんでした。

仮に、水の中に絵の具を垂らすように広がるのであれば適切なコミュニケーションが取れるとは思えませんので何かそこには何か仕掛けがあるはずです。

筑波大学の研究グループは細菌を包む細胞膜が分離するようにしてできた袋状のメンブランベシクル(MV)によってシグナル物質が運搬されるのではないかと予想を立てて実験を行いました。そこで、土壌に生息している細菌を使って検証したところ、この細菌から放出されるメンブランベシクルには非常に高濃度のシグナル物質が含まれており、それを他の細菌が受け取る事ができる事が示されました。

メンブランベシクルの中にシグナル物質を濃縮して封入しておけば、単純拡散の場合とは異なり、遠くまで運ばれても薄まる事はありません。そのため、遠く離れた細菌同士のコミュニケーションも行う事ができます。

細菌同士のコミュニケーション


2017-03-20 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :

細胞の老化を防ぐ酵素「SETD8」を発見

「SETD8」は細胞増殖や数多くの遺伝子の働きを調節する酵素です。熊本大学の研究によると老化した細胞においてはSETD8の量が著しく減少しており、また、若い細胞のSETD8の機能を低下させると細胞が速やかに老化することが分かりました。

SETD8が減少することで細胞老化が促進されることから、SETD8の減少を抑制する事によって細胞の老化を防いだり、老化のしくみを解明したりする研究への展開が期待されます。


2017-03-16 : 科学の小ネタ : コメント : 0 :
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おびおがしかし

Author:おびおがしかし
会社員をしながら科学のコンテンツを作ってます。書籍とか、トークライブとか、セミナーとか、ネットラジオとか、Webコンテンツとか。でも、楽しいことしかしません。楽しいことしかできない病、TD! それがおびおなのです。
苦手な食べ物:シーチキン、レバー、昆虫系
Web:ヴォイニッチの科学書
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